tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第4話 初めての海外

f:id:tokuchan_world:20211009180252j:plain

初めてみる外国

 

[1982年11月 ホンコン(香港)]

 

 準備が整い、いよいよ初めての海外へ。

 198211月、大阪国際空港 (通称伊丹空港)から飛び立つ。関西国際空港が開港する12年前だ。快晴。沖縄あたりのエメラルド・グリーンの海を飛び越え、初めて日本の領域外へ出る。伊丹を離陸して約4時間、順調な飛行を続け、機内放送が間もなく香港カイタック(啓徳) 空港に到着しますと告げる。

 

 初めて見る海外の光景は、中国大陸とその近くに点在する島々。しばらくしてカウロン (九龍) 半島にそびえ立つ高層ビル群が目に飛び込んでくる。その合間を縫うように大きく右に旋回する機体。最大バンク角!? 当然ビルのかなり上空を飛んではいるのだが、まるで右主翼の先端がビルに当たりそうに見える。乗客はおぉ〜と言いながら上体を左に反らしている()。空港周辺の広告塔には日本企業の名前がズラリと並ぶ。SONY、日立、CitizenTDKさすが世界に誇る企業ばかりだ。

 

 軽い衝撃を受け香港カイタック空港に着陸。機外へ出るとムッとする空気と初めて体験する匂いが鼻をつく。税関の前で添乗員が「税関を通って外へ出ると外国です。日本と違って治安は悪いですから注意してください。スリは逃げやすいようにスニーカーを履いています。」と注意を促す。

空港内の警備員(?) 警官(?) 軍人(?) の手にも自動小銃が。日本では見た事がない。

 

 そしていよいよ空港を出て街の中へ。初めての外国だ。添乗員の言葉が異常に頭に残り、臆病者の自分に ここは怖い、危ない所なんだと拍車をかける。スニーカーを履いた人がみんなスリに見える()。カメラを持つ手が汗でにじむ。

 

 マイクロバスに乗り込み最初の観光地へ向かう。道路は右に左に縦横無尽につながっている。香港そのものは狭い地域だがここはユーラシア大陸の東の端、ここから歩いて欧州まで行けるんやと思う。

 

 国鉄(当時)の線路は日本中を網羅しているためか長く見える。線路は続くよどこまでも。しかし、私鉄の線路は長くは見えない。高校の修学旅行で宮崎県の青島から太平洋を見た時、この海の向こうは南米大陸なんやと思った。地図を見るのが好きだからか いつもこういう図式が頭にある。