第62話 二人のパーカッショニスト
[1994年7月 カナダ]
地下鉄に切符はない。一律料金で、改札は遊園地などにある硬貨を入れて3本ある金属の棒の一本を前方へ押すとガチャっと周って一人が通り抜けるという形の機械が設置されている。
どこで降りたのかはっきりと覚えていないが、ショッピングセンターや飲食店などがたくさんある ブロアヤング (Bloor-Yonge)駅だっただろうか。
街中は休日とあって賑やかだった。デパートの入り口近くに人だかりができている。二人組のパーカッショニストが演奏するのは正規の楽器ではなく鍋の蓋や大小の缶など。シンバルが数枚あったかも。見事な演奏だった。しばらく立ち止まって聴き入って/見入ってしまった。お客さんも拍手喝采だった。