tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第82話 アルプスの中を飛ぶ

スキージャンプ台よりインスブルック市内を望む

 

[1997年6月 インスブルック => チューリッヒ]

 

 インスブルックからスイスのチューリッヒへ飛ぶ。早朝便の為 タクシーで5時前に空港に到着するが、空港は閉まっている。小さな空港だ。空港が閉まっているのはこれが最初で最後の経験だ。

 

 夏休みでどこかへ旅行にでも行くのだろうか、他に5人位の若者が待っている。10分ほど待つと、建物内の明かりが点き始め玄関が開いた。すべての手続きを済ませて搭乗口へ向かうと、ガラス戸の向こうに短い滑走路が1本見えている。飛行機は?と見ると、少し離れたところにやはり小さな機体が駐機している。そこまで歩いて行き、タラップを上る。小さな飛行機なので天井に頭が当たりそうだ。座席は11列目となっていたので、前の方だと思っていたが乗ってみると後ろから2列目だった。

 

 離陸後も高度はそんなに上がらない。アルプスの山々を下に見ながらの飛行かと期待していたが、山は横に見え その合間を縫って飛んでいる。風で流されれば山にぶつかりそうで少し恐怖を感じた。雨も降ってきた。窓ガラスの向こうで雨粒がほとんど水平に後方へ流れる。窓の横に景色が見え、常に雨が降っている。まるで車か電車にでも乗っているような感覚だ。朝食に出されたサンドイッチを食べながら雨に濡れた岩肌を見ていた。