第93話 まだ明るい
[1997年 ベルギー アントワープ]
午後9時過ぎ、ご主人が子供達に “そろそろ寝る時間だよ、明日は学校だろ。" と言う。北緯51度のこの地の6月、外はまだ明るい。午後8時なんて普通に写真が撮れる明るさだ。もちろん夏時間なので太陽の位置からすれば、時計は1時間早くなっているのだが。
こんなに明るいのに寝なければいけないのはかわいそうですね。と言うと、逆に冬は日の出が遅いので真っ暗な中 起きて学校へ行くんだよ。土地柄しょうがないよね、ここに住む人たちはみんなそういう生活をしてるから、それが当たり前なんだ… そうだ。
(ちなみに日本最北端は、国土地理院によると択捉島の北緯45度33分19秒、実効支配の地としては宗谷岬とされているがここは北緯45度31分21秒、実際はその北西約1.2kmに浮かぶ弁天島の北緯45度31分35秒だ。時刻は、緯度だけではなく標準時を設定している経度からどれだけ離れているかによって必ずしも太陽の位置と合致しているとは限らないが。)