tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第106話 一難去ってまた一難

ハノーバー郊外(?) のホテル

 

[1998年3月 ドイツ  ハノーバー]

 

 到着が遅れ、外は既に暗くなっている。3月の欧州は日本よりも日の入りは早い。早くホテルへ行って休みたい。ホテルは市内から少し離れたところだと聞いている。今回ドイツへやってきた目的は、ドイツの代理店も出展している CeBIT (セビット、ツェービット)という見本市の視察である。世界最大級のコンピューター/IT関連の見本市だ。その為 市内のホテルは全て満室状態。仮に空いていたとしても宿泊料金はべらぼうに高くなっている。予約するのが遅くなればなるほど市内から離れて行く。

 

 ホテルへどうやって行くのかを聞く為に電話をしたが、英語がよく分からないようだ。仕方がないので住所を書いたメモを通行人に見てもらうが、誰も分からないと言う。ドイツの初日はいつもこうだ。やはり頼りになるのは警察官か。

 

 空港内で警察官に尋ねると電車とバスを乗り継がないと行けない。タクシーが便利だと言うが、かなり遠い。60km近くあるとのこと。どうする タクシー代? いくらかかるか分からない。会社は出してくれるのか? そうこうしているうちに時はどんどん過ぎていく。1時間以上もここにいる。どうにかなるだろう。タクシーで行こう。あとは野となれ山となれ!

 

 タクシー乗り場で待っていると、1台の空車がやって来た。と思いきや、乗り場ではないところで一人の若い女性がその車を止めて乗り込もうとしている。遅くなっているのでこちらはかなり苛立っている。コラッ! ちょっと待て! こっちで並んどるんや、俺が先や!  女に言葉が通じたのかどうかは分からないが。運転手にも何で規則違反のヤツを乗せるんや! と大声を出していた。英国ではあり得ない。

 

 運転手は罰が悪そうに謝った。男よりは若い女性を乗せたかっただろうが。ホテルの住所を書いたメモを見せると。OK と嬉しそうだ。そりゃそうだ、60kmほどあるのだから。若い女性よりこっちの方がよかったでしょ。

 

 150-160km/h くらいでアウトバーンをぶっ飛ばす。道幅が広いからそんなにスピード感はない。が、路面は悪い。小刻みにガタガタと揺れる。1時間ほど走ってようやく到着したのは、ホテルと言うよりモーテルといったところか。アウトバーンを走るトラックの運転手が、食事をしたり仮眠や宿泊したりするところのようだ。

 

 今日は散々だった。出発が遅れ、到着するもホテルへの行き方が分かるまで時間がかかり、ようやくやって来たタクシーを横取りされそうになり、着いたホテルは木賃宿。ホントに疲れた。ベッドがあればいい、まさにそんな気分で そそくさとベッドにもぐり込んだ。