tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第113話 何かがお尻に

アメリカの方向を指さすコロンブス像 (バルセロナ港)

 

[1998年3月 スペイン  バルセロナ]

 

 二日間の会議は無事終了。最終日の夕食は、各々自由に取ってもらうことにした。会議を開催したホテルは、バルセロナ港の近くにある。この港はコロンブスアメリカ大陸を発見した時に出航したところで、アメリカの方向を指差すコロンブス銅像を据えた記念塔が建っている。

 

 水族館や海洋博物館などもあり、観光客も多数訪れる。その為レストランも数多くある。地中海の魚介類が売りで、店頭に水槽をおいている店が多い。ちょうど日本の寿司屋のようだ。が、中にいるのは伊勢海老や真っ青なカニなど日本ではあまり見かけないものが多い。

 

 どの店に入ろうかと歩いていると、ある店の屋外テーブルに代理店の何人かが既に座っている。俺を見つけて、おいで おいでと声をかけてくる。誘われるままそこに座ることに。英国の子会社の担当者、ドイツとクロアチアの代理店もいた。先述のようにスペインの夕食は始まりが遅い。既に午後10時頃になっていた。

 

 食事が終わり、アルコールも入りみんな上機嫌だ。このままホテルへ帰るはずがない。次の店を探す為に歩き出すが、通りの人混みがすごい。今日は特別な日だからだ。あと数時間で標準時間から夏時間に変わる。日本にはない習慣である。店側も色々と趣向を凝らして客を呼び込もうとしている。

 

 1件の店先のお立ち台の上で踊るビキニ姿の女性。我々も立ち止まってしばらく見ていた。と、お尻のあたりが何かおかしい。満員電車状態なので、通り過ぎる人が時々あたったりするのだが、それとは違う感触だ。スリに違いない。振り向くと若い男が立っている。何しとるんや!? と睨むと、男は (踊りを)見てるだけ と言うが明らかに挙動不審。

 

 隣にいたドイツの代理店の担当者が、後ろのポケットに財布を入れるなよと言ってくれるが、心配ご無用。大事なものはウェストポーチに入れてお腹の前になるよう腰に巻いている。スペインはスリや置き引きが多いので、要注意!