第123話 第1回 FIFA ワールドカップ
この年 1998年、あと1ヶ月足らずで第16回FIFAワールドカップがフランスで開催され、日本が初めて出場する。モンテビデオの最高地点にあるモンテビデオの丘からは市内が一望でき、数キロメートル先にある第1回FIFAワールドカップ開催地である エスタディオ・センテナリオ (Estadio Centenario)、センテナリオ競技場が見えていた。
サッカーのことはよく知らないが、ここから始まったのかと少し感慨深いものがあった。あちこちで、日本は今年初出場だがどうだ?と聞かれたが、日本代表には失礼ながら全敗でしょうと答えていた。まだまだ日本のサッカーは世界に通用するとは思っていなかった。
ウルグアイの代理店の顧客のところへ向かう途中、記念すべきものを見せてやろうとこの公園に立ち寄ってくれたのだろう。ワールドカップ開催の年でもあり、日本が初出場する記念の年にいいものを見せてもらった。また、彼らにとって第1回目は自分たちの国で開催されたことが誇りであり、それを自慢したかったのかも知れない。
日本では奥ゆかしいことが美とされるが、彼らは違う。自慢できることは堂々と自慢する。日本人も見習ってもいいのでは。