第139話 男一人で行くところではない
[1998年6月 関西空港 => グアム]
日本から一番近い楽園と言われるグアム。アメリカ領であるが、1941年から1944年までは日本が占領統治し、大宮島と呼ばれていたらしい。
仕事でここへ行くとはつゆにも思っていなかった。1998年、一定期間中の売上げ上位の代理店をグアムへ招待しようと、会社が周年記念のキャンペーンを行った。ホテルの部屋割り、パーティー会場や食事等々その打ち合わせで行くことになった。
関西空港を深夜に飛び立ち翌未明に現地着という夜行便。機体は通路を挟んで左右3列ずつの小さな飛行機だ。サイパン経由で4時間弱の短い飛行だが、いつも通り通路側の席に座る。真ん中と窓側の座席はまだ空いたままだ。夏休み、機内は家族連れやカップルが多い。少なくとも男の一人旅はいないだろう(笑) 何となくいやな予感が頭をよぎる。と、予感的中!
一組の 若いカップルが乗り込んで来たかと思いきや、すみません〜 そちらの席なんです と女性が真ん中と窓側の席を指差している。彼らが窓側へ行けるように立ち上がる。窓側に男性、真ん中 (つまり隣)に女性が座った。南国ムード満々、女性はショートパンツでキレイな おみ脚全開。こんな状態で4時間は生き地獄だ。
通路を挟んだ3席には誰もいない。客室乗務員に聞いてみると出発間際になって、もう誰も来ませんと言われ移動する。ほっと一安心。隣のカップルも嬉しそうだった。そりゃ二人だけの方がいいでしょう。お邪魔しました。