第145話 音速の貴公子

キリスト像で有名なコルコバードの丘へ向かうケーブルカー

Corcovado Rack Railway (ブラジル リオデジャネイロ)

[1999年8月　ブラジル サンパウロ]

　ブラジル、サンパウロ空港に降り立った。曰く付きの空港だ。正式な入国は初めてだが、前回乗り換えの時に順路を間違えていつの間にか入国してしまっていた。もちろんパスポートには何の記録もない。米国ダラスの出発が遅れはしたが、無事に到着し正式に入国手続きも終えた。出迎えてくれた代理店の車に乗せてもらい市内へと向かう。

　市内までは25kmほどあり高速道路を利用するのだが、かつてトラバリャドーレス(サンパウロ州道 SP-70号線)という名称で呼ばれていた道路がある。しかし、1994年 F1サンマリノGP決勝で走行中に34才の若さで事故死した“音速の貴公子”ことアイルトン・セナの功績を称える為にアイルトン・セナ高速道路 (Rodovia Ayrton Senna)とその名称を変更した。その区間にはその名を記した大きな看板が掲げられている。

　ブラジルの英雄の一人であるが、改めて彼の功績やいかに国民に愛されたかその偉大さが分かろうというものだ。