第151話 海の向こうは日本
[1999年9月 ペルー リマ]
リマの街は、南米大陸の西海岸沿い。海がすぐ近くにあるのだが遠い。街が高い位置にあるような気がする。砂浜など海から緩やかに陸地になっている場所もあるのだろうが、行動範囲がそういう場所だけだったのだろうか? 海岸沿いを車で走った限り眼下に海が見えている光景しか記憶に残っていない。
絶壁に突き出すようにあるレストランで昼食をとった。窓の外は太平洋、島も見えない。見えるのは青い水だけ。まさに大海原。注文した料理を待っている間 この大海原を見ながら、海の向こうは日本なのだと思った。チリのサンティアゴで地球儀を見た時もそう思ったが、今は現実の海を目の前にしてそう思っている。
高校生の時に宮崎から見た太平洋を逆の方向から見て、逆のことを考えているのだ。あの時 20数年後に自分がこの海の向こうにいることなど想像もしなかった。