tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第156話 深夜の電話

コロンビアの夜の街

 

[1999年9月 コロンビア  ボゴタ]

 

 代理店の社長家族と夕食へ。またまた寿司。やはり日本人は寿司が好き、高級料理だという意識があるのだろうか。チリでご馳走になった寿司は日本人が握っていたが、こちらの職人は分からない。座敷に運ばれて来るので厨房が見えなかった。味はあまり記憶にない。チリの方が美味しかった。しかし、先にも記したがここボゴタは標高2,500mだ。その上 海からは300~400km内陸だ。ここで寿司を食べるとは思わなかった。

 

 この日は金曜日、あとは大学生の息子と飲みに行けばいいと社長が言ってくれた。社長とその奥様 娘さんは帰って行った。飲屋街に着いてしばらくはぶらぶらと歩いて雰囲気を楽しむ。日本の歓楽街のように高層ビルではなく、一戸建ての店が並ぶ。街灯もそれほどなく、薄暗い店内から漏れてくる明かりぐらいだ。それぞれが大きな音で音楽を流している。不思議なことに扉が開けっ放しだが、歩きながら店内が見えるので店を選ぶのに苦労はしない。さすがに金曜日の夜、たくさんの人出だ。

 

 ふと、サッカーの エスコバル選手のことを思い出した。銃撃されたのはボゴタではなく数百km離れたコロンビア第二の都市 メデジンという所だが、こういう雰囲気のところで襲われたのだなと少し恐怖を感じた。二軒ほどはしごをして、ホテルまで送ってもらった。

 

 ホテルに帰ったのは深夜0時頃。部屋へ入るやいなや電話が鳴った。“もしもし”日本語で応答する。相手は誰なのか予想できたからだ。日本は14時、電話をかけてくるには全く問題ない時刻だ。聞こえてきた声は予想通り本社の社長だ。“どこへ行ってた! 今 帰ったのか!?”  “週末ということでちょっと飲みに連れて行ってもらってました”“大丈夫かぁ!?  頼むからウロウロせんとってくれ(しないでくれ)”  こちらの命を心配してくれてるのか、身代金を心配してるのか!?!?