tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第162話 Hold it Down

マラカス・ベイ・ビーチ (トリニダード

 

[1999年9月 トリニダード・トバゴポート・オブ・スペイン]

 

 翌日の昼食、レストランで食事を注文する。詳しいことは忘れたが、ドレッシングだったかトッピングだったかをどうする/何にする?とピーターが聞くので xxx と答えた。何と答えたのかも覚えていないが、技術屋の同僚も同じ返事だった。すると、ピーターが そうではなくて △△△ と聞いたんだと言う。同僚と○○○と聞こえたよな!? と言って顔を見合わせて笑った。同じように聞き間違えるほど訛りがきつい。

 

 仕事が終わり夕食。久しぶりに同僚と二人で飲みたいと思い、接待は遠慮した。日本にいる頃は毎週のように飲みに行っていた。一旦ホテルへ戻り、レストランのありそうな所へ出て行こうとすると、ホテル前で客待ちをしているタクシーの運転手が声をかけてきた。やはり訛りは強い。その上気だるそうな喋り方をする男だ。

 

 “どこへ行くんだ? 乗って行くか?”“レストランへ行くつもりだけど当てはない。歩きながら適当に探すわ” そんな会話をしながら最後に運転手が何か言ったが分からない。何度か聞き返すと ホールディッドーン(のように聞こえた)。彼がゆっくりと、Hold it downと言ってくれたが、意味が分からない。こんな時に使うよと説明されて、あぁ Take it easy (= 気楽に行こうぜ、無理するなよ、じゃあまた...) のようなものか?と言うと、それそれ! と笑いながら親指を突き上げた。暗闇に三人の白い歯が浮かんでいただろう。

 

 こちらの方言だ。それ以来、この同僚とのメールや電話の最後は Hold it down になっている。電話の時はもちろんトリニダードの発音で(笑)。