tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第140話 異国感ゼロ

恋人岬 グアム

 

[1998年6月 グアム]

 

 夜間飛行とはいうもののぐっすり眠ることもなく夜中の3時頃グアムに到着。ホテルから車を手配しておくと言われたものの出迎えの人はいない。タクシーなどの停車場にでもいるのかと外へ出るが、それらしき人はいない。ホテルへ電話する。手違いで忘れられている。これからすぐに迎えに行くから待っていてくれとのこと。手違いやないでぇ、真夜中に待たすなよぉ!

 

 空港建物の出口付近のベンチで待つことにする。このベンチに座っている人など誰もいない。目の前を今到着した人たちがぞろぞろと通り過ぎて行く。大げさではなく、見るからに全員が日本人だ。みんな団体客なのか、塊になって移動していく。やはり一人で来るヤツなどいないのだろう。一人ポツンとベンチに座っているこちらをちらちら見ている。

 

 目を合わすのもイヤなので、少しうつ向き加減にしていたが何か視線を感じる。顔を上げると一人の若い女性と目が合った。ん? どこかで見たような… 目をそらす。女性が通り過ぎた頃、その後ろ姿に目をやろうと顔を上げると、振り向いてこちらを見ている。やはり知り合いか? 思い出せなかった。

 

 滞在中もずっと気になっていたが、ひょっとして?と一人の女性を思い出した。友人の奥さん(今では元奥さん)の友達か!?  彼らが結婚する前に何度か一緒に飲みに行ったことがある。帰国後聞いてみるとやはりそうであった。彼女は、こちらのことがはっきりと分かっていたらしい。だったらその場で言うてや。もやもやせずに済んだのに。しかし、こんな場所で会うか!?

 

第139話 男一人で行くところではない

グアム タモンビーチ

 

[1998年6月 関西空港 => グアム]

 

 日本から一番近い楽園と言われるグアム。アメリカ領であるが、1941年から1944年までは日本が占領統治し、大宮島と呼ばれていたらしい。

 

 仕事でここへ行くとはつゆにも思っていなかった。1998年、一定期間中の売上げ上位の代理店をグアムへ招待しようと、会社が周年記念のキャンペーンを行った。ホテルの部屋割り、パーティー会場や食事等々その打ち合わせで行くことになった。

 

 関西空港を深夜に飛び立ち翌未明に現地着という夜行便。機体は通路を挟んで左右3列ずつの小さな飛行機だ。サイパン経由で4時間弱の短い飛行だが、いつも通り通路側の席に座る。真ん中と窓側の座席はまだ空いたままだ。夏休み、機内は家族連れやカップルが多い。少なくとも男の一人旅はいないだろう() 何となくいやな予感が頭をよぎる。と、予感的中!

 

 一組の 若いカップルが乗り込んで来たかと思いきや、すみません〜 そちらの席なんです と女性が真ん中と窓側の席を指差している。彼らが窓側へ行けるように立ち上がる。窓側に男性、真ん中 (つまり隣)に女性が座った。南国ムード満々、女性はショートパンツでキレイな おみ脚全開。こんな状態で4時間は生き地獄だ。

 

 通路を挟んだ3席には誰もいない。客室乗務員に聞いてみると出発間際になって、もう誰も来ませんと言われ移動する。ほっと一安心。隣のカップルも嬉しそうだった。そりゃ二人だけの方がいいでしょう。お邪魔しました。

 

第138話 金 返せ!

残ったままのウルグアイ ペソ

 

[1998年6月 ベネズエラ  カラカス]

 

 その日は2週間弱の日程を終え、南米大陸を離れるべくカラカス空港にいた。チェックインも済み、あとは米国はマイアミ行きの便に搭乗するのを待つのみだ。チェックインはいつも早めに済ませ、カフェでビールを飲みながら時間を潰す。帰国すればややこしい経費の精算が待っている。領収書などは毎日整理しているので問題ない。残った現地通貨は米国の空港で両替するため各国ごとにまとめてあるのを再確認しておこう。

 

 財布を開けてビックリ! ウルグアイの紙幣 (ペソ) がぐんと減っている!?!? あっ、今ビールを買った時にベネズエラ通貨 (ボリバル) ではなくウルグアイ・ペソで支払ってしまった。1杯300円ほどのビールに約6,000円を払ったことになる。ウェイターを呼ぶ。先ほど支払う時にカウンターにいた男だ。

 

 間違えたのはこちらなので低姿勢で「先ほど、ビールの代金を違う通貨で支払ってしまいました。すみませんが、ボリバルと交換してもらえませんか?」と言うと、この男「そうだったか? もう済んだことだから交換はできない。」と言ってきた。「間違えたのはこちらが悪い。でも初めての土地で紙幣を見間違えた。申し訳ないが交換して欲しい。」とお願いしても、「間違えたあんたが悪い。支払いは終わった。」の一点張り。瞬間湯沸かし器点火!

 

 「人が謝ってるのにその態度は何や! しかもカウンターで支払っている時にその紙幣を見てたやろ! この国の人間なら違う紙幣だとわかったはずや。それを素知らぬ顔で 掴んでレジに入れてたやないか! 何でその時に言ってくれなかった!」思わず大きな声で怒鳴っていた。周りの席にも何人かお客さんがいたがビックリしてこちらを見ていた。

 

 男は英語が上手ではない。胸のポケットから男の子の写真を取り出して何やら言っている。どうやら「俺には小さな子供がいて働かないといけない… 云々」と言っているようだ。「そんなこと知るか! 子供の為と思うなら真面目に働け。人が困ろうが騙そうがどうでもいいのか!?」何を言おうが対処しようとしない。こんなことが当たり前に通る国なのか。腹が立つが、諦めるしかないのか。しかし、ただ単に諦めるのは悔しい。「交換してくれないなら、もう1杯ビールを持って来い。ただしその代金は支払わないからな。」男はカウンターの方へ戻って行った。

 

 すると今度は違う男がビールを運んで来た。ビールをテーブルに置く手と同時に、もう一方の手もテーブルに伸びて来てウルグアイ・ペソを置いた。男の顔を見上げると少し微笑んでいる。お〜 ありがとう! 「見慣れない紙幣だろうが、間違うなよ」間違えた全額が帰って来たので、2杯分をベネズエラボリバルで支払った。

 

 ウルグアイ・ペソは1万円分ほど残っていたが、ウルグアイを離れる時に両替をする時間がなく持ったままだった。アルゼンチンで両替しようと思ったのだが銀行ですら両替不可だったのだ。隣国の通貨でありながら銀行でも両替できない。それだけ信用のない不安定な通貨なのだ。ベネズエラはもちろん南米の窓口である米国のマイアミでも出来なかった。つまり、ウルグアイ国内でしか通用しない紙幣/通貨なのだ。

 

 その後ウルグアイへ行く機会はなく、結局今でも持ったままだ。いくら高額だからといっても使えない紙幣を、あの男はどうするつもりだったのだろう? どこかに両替できる裏ルートがあるに違いない。

 

第137話 引き金に指が

政府関連の警備員も銃は必携 (チリ サンチアゴ)

 

[1998年6月 ベネズエラ  カラカス]

 

 南米は治安が悪い。誰もがそんな印象を持っているだろう。その通り。サンチアゴブエノスアイレスはそれほどでもないが (と言っても日本に比べればかなり悪い)、ここベネズエラやコロンビア辺りはかなり悪い。暑い地域はそうなるのだろうか?

 

 仕事が終わり、取引先の二人と三人で夕食に行った時のこと。ちょっと良さそうなレストランへ連れて行ってもらった。駐車場に車を停めて、レストランの入り口へ向かう。入り口にはガードマンらしき男が椅子に座っている。我々が近づくと立ち上がり、何人だ? と聞く。三人と答えるとこちらをしげしげと見ている。怪しいヤツかどうかを見極めているのだろう。

 

 何もないと判断すると、OK 入っていいぞ と腹のあたりで手を右から左へ振る。が、よく見るとその右手には拳銃がしっかりと握られている。しかも人差し指は引き金にかかっている。もしこちらが悪人で何かしようものならすぐにでも発砲できるようにしている。日本ではまずお目にかかることのない光景だ。

 

 お金のありそうな場所は常に狙われているということだろう。いつも危険と隣り合わせ。生活環境が大きく違うことを思い知らされた。

 

第136話 日本びいき?

ベネズエラ カラカス

 

[1998年6月 ベネズエラ  カラカス]

 

 街中視察中、ちょっとゲームセンターに寄る。日本同様色々なゲーム機が設置され、多くの若者で賑わっている。山腹で電気を無断で使用しながら生活している人もいるなか、ここにいる人たちは裕福な人なんだな。そう思いながら店内を歩いていると、見覚えのある絵が描かれたゲーム機を発見。

 

 ドラゴンボールの悟空だ。とても人気があり、キーホルダーなど色んな商品が売られているらしい。ゲーム機は、日本からの中古品らしく全て日本語表記のままで、一切スペイン語に書き直しているところはない。硬貨の挿入口も ¥100と書かれたままだ。慣れている人は現地通貨でいくら挿れるのか分かっているのだ。ゲームには全く興味がないので、どんなゲームだったのかは覚えていない。

 

 そういえば、日本のテレビ番組も放映されることがあるそうだ。古い話だが、自分が幼稚園の頃、1964年頃に日本で放送された子供向けの実写版ドラマ「忍者部隊月光」という番組があった。これが5年ほど遅れて現地で放送されていたようだ。会社の同僚に5歳ほど年下のベネズエラ出身の男がいた。彼が幼稚園の頃にこれを見ていたと言う。番組名は何と言っていたのか覚えていないが、登場人物やその服装などまったく同じ。間違いない。

 以外と日本びいきの国なのだろうか?

 

第135話 熱帯地方

ホテルのプールサイド (ベネズエラ カラカス)

 

[1998年6月 ベネズエラ  カラカス]

 

 車が到着したのは、ヒルトンホテル。先方が予約していたのは1泊3万円弱の部屋。3泊の予定だから10万円ほどになる。これはアカン!  海外出張時のホテル代は国によって相場に差がある為、実費が会社から支給されるが大体15千円くらいまでのところにしている。帰国後大目玉をくらいそうだ。

 

 チェックインしたのが遅い時間だった為 この日は仕方なく宿泊。翌朝すぐに変更するよう代理店にお願いした。178cmの男が大の字になって両手を広げても手の先が十分収まる広いベッドで一人寂しく朝を迎えた。そして、そそくさとチェックアウト。

 

 仕事を先に終えて、変更したホテルに夕方早めにチェックイン。今度は南国のリゾートホテルのような造り。入り口の扉の内側にもう一枚 木製の扉が付いている。部屋の中が見えないように、そして風通しがいいように下向きになった木が横方向に何本も通されたものだ。(全面がトイレや浴室の扉の下にある通気窓みたいなもの)

 

 チェックインすると同時に雷鳴と共に大粒の雨が落ちてきた。スコールだ。雨が上がって涼しくなるかと思いきや、とても蒸し暑くなった。クーラーをつけようと探したがない。なんやと! 熱帯地方のホテルにクーラーがない。安いホテルにしたが、こんなに差があるの?  部屋にあったパンフレットでパタパタと仰ぎ暑さをしのぐ。

 

 雨が上がりしばらくすると、キィーキィーと猿の鳴くような声が聞こえて来た。ホテルのすぐ裏手は山になっていて、建物との間には中庭があり熱帯の植物が植わっている。その中の1本の木にひときわ色鮮やかな大きな鳥の置物があると思って見ていると動いた。本物やん! 黄色い大きなくちばしをした体長60cmほどのオオハシ。森永製菓のチョコボールキョロちゃんだ。野生のこんな大きな鳥が間近にいる。熱帯地方にいることを実感する。

 

第134話 山腹のイルミネーション

ベネズエラ カラカス

 

[1998年6月 ベネズエラ  カラカス]

 

 アマゾン川を見ることは出来なかったが、無事にカラカスのシモン・ボリバル (Simón Bolívar) 国際空港に到着した。既に日は暮れてあたりは暗くなっている。例によって代理店の車に乗せてもらいホテルへ向かう。空港があるのは正確に言えばカラカス市内ではなく隣町(?)である。

 

 空港を出るとすぐに高速道路に入り山の中へと入って行く。このあたりの地形は山からすぐに海になっていて海岸付近に大きな街はない。山を超えて内陸部にカラカスの街が開けている。

 

 山の斜面にはあちこちでオレンジ色の光がたくさん灯っている。イルミネーションのように綺麗だが、これらは貧しい人たちの集落だそうだ。街中の電線から無断で線を引き電気を調達しているのだそうだ。もちろん違法行為、窃盗である。空港も断崖絶壁の上に作られており、その崖の下、海に近い部分にも同じような人々が暮らしている。着陸に失敗した航空機がこの集落に落ちて住民が犠牲になるという事故も起きている。

 

 街に住むことが出来ない人たちが、山の上や空港の崖の下など厳しい環境で生活をしている。到着するや否や大きな貧富の差がある国であることを見せつけられた。