tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第202話 OS氏 恐るべし

打ち合わせ終了 (後ろ青いシャツは OS氏の弟)

 

[2009年6月 ギニア  コナクリ]

 

 予定を終了し、ギニア出国の時がやってきた。今度こそすんなりと… そうは問屋が卸さない。荷物検査、航空会社カウンターでの搭乗手続きは問題なし。次は手荷物検査場へ。ここで時限爆弾のスイッチが入った。手荷物をベルトコンベヤーに乗せてX線検査。身体を調べるゲートも難なくパス。何もあるはずがないが。荷物を手に取り先へ進もうとしたその時、係官がチョット待てと言う。なに? 何もなかったでしょ?  moneyと言って不敵な笑みを浮かべる。きたか~!

 

 money?  for what (何の)?  ガーナではぬけぬけと昼飯代とぬかしよった。さてここは何と返してくるのかともはやゲーム感覚で待っていると、係官は手数料と返してきた。はぁ? 手数料? そんなもん今まで聞いたことがない。何の手数料や! こんなものは当然の手続きであって料金の発生するもんやない! お前らに渡す金は持ってない! 例によって押し問答。が、次の展開は例によってではなく初めてのことだった。2-3人に取り囲まれ無理やりジーンズのポケットに手を入れてきた。え~っ! これはヤバい! 大した額ではないがお札が数枚入っている。すべて取り上げられた。当然のごとく返せ返さないの言い合いが始まる。なかなか強情なヤツらだ。$10(千円弱)程度やし時間もないし、ベネズエラに次いで諦めかけたその時にあることが閃いた。

 

 分かった。但し、今抜き取った金額を見せろ。手数料を会社の経費として支払ったと S氏に報告しないといけない。と言った途端、ヤツらの顔色が変わった。S氏? … 男たちは顔を見合わせてもぞもぞとポケットに入れたお金を返して来た。そして一言、どうぞお通りください。今度はこちらが不敵な笑みを見せる番だ。そのあとヤツらを睨みつけてその場を後にした。

 

 OS氏の名前、 Oは言わずに Sだけを言った。お兄さんの文部大臣と思ったのだろう。日本を出る時に OS氏から金型を預かった。詳細を記載した書類を持っていないといけないのだが、彼は書類を送ってこなかった。こちらで書類を作る為に詳細を聞こうと、電話をすると大体のことは教えてくれたが、何かあったら Sと言えばいいからと笑っていた。そんなアホなと思ったが、ホンマや~!  OS 氏恐るべし。いや、お兄さんの方かな?(笑)