第49話 刺青とハードロック
[1991年4月 オランダ]
得意先の最寄り駅に到着、タクシー乗り場へ向かう。先頭に並んでいるタクシーに近づくと、刺青の入った左腕が窓から出ている。怖い人ではないのか? 長い髪の毛を後ろで束ねてポニーテールにした若い青年だ。
恐る恐る得意先の住所を見せて「ここへ行ってください」と告げると他のタクシー運転手を呼ぶ。どうやら場所を確認しているようだ。同行していた上司は、刺青も含め大丈夫か?と不安げ。
場所の確認が終わったのか 分かった、大丈夫だと言って走り出す。すると車内では、ラジオかカセットテープかは分からないが大音量でハードロックがかかる。何の曲だったのかは忘れたが、運転手に「スコーピオンズやん(嬉)」と言うと「おっ、知ってるのか?」と嬉しそうだった。部長は怪訝な顔をしていた(^ ^;
オランダ人の4分の3は二ヶ国語を話す。若い人はもっと多いだろう。英語での会話は空港やホテルはもちろん、タクシー、駅員、商店… どこでも問題ない。