第86話 スペイン料理
[1997年6月 スペイン バルセロナ]
スペインの食事は日本人の口に合うのではないだろうか? 代表料理はやはりパエリャ(paella)。地中海の幸をふんだんに使っている。中学生の時の先生は、西洋ではイカやタコは食べないと言っていたが、そんなことはない。魚介類、エビはもちろんのことイカや時にはタコも入っている。
エビ、日本の鍋料理などにも入っているが日本人は熱い熱いと言いながら手でその殻を剥いでいく。こちらでは手は使わずナイフとフォークで上手に裸にする。これは見事だ。丁寧に教えてもらったお陰で、今では現地人のように出来るようになった… と思う。
ちなみにこのエビはスペイン語(カタロニア語?)でガンバと言うそうだ。大阪のプロサッカーチームは、ガンバと言うんだよ。
食事の習慣で変わっているのが、その時間帯だ。企業などの昼食は午後2−3時頃から1時間ほど。我々のように海外からの来客などがあると気を使ってくれているのだろう、ゆっくりと2時間位取ってくれることもある。少し遅めの3時から昼食が始まり、2時間かかると5時。さぁ午後の打ち合わせをしようか。って… もう5時ですよ!?!? 日本ならそろそろ終業、帰宅時だ。レストランも5時頃に昼食時の営業が終われば、一旦店を閉めて夜の時間に備える。夕食用に店が営業を再開するのは早くて8時。店によっては9時開店のところもある。9時から夕食となると、お酒も入るのでゆっくりと2-3時間は要する。終わるのは夜中の12時前後だ。これに慣れるまでには少し時間がかかりそうだ。
もう一つ食べ物に関して馴染めないものがあった。クレマカタラーナというデザートだ。カスタードの上にパリパリしたカラメルが乗っている直径10cm,厚さ1-2cmほどのカタルーニャ地方のケーキである。話の種にと一口二口食べてみたが、とてつもなく甘い! これは口に合わない。トニは、甘いものはダメか、いいから残しておけと笑っていた。甘いものではなく、甘過ぎる! 何でも食べる方だが、これは今でも食べられない。