tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第199話 文部大臣

ギニア クルサの市場

 

[2009年6月 ギニア コナクリ]

 

 クルサ訪問後首都コナクリへ戻り、OS氏のお兄さん宅を訪問する。文部大臣である。非常に穏やかな人で、何か得るものはありましたか? 今後両国の利益になるような仕事がうまく進むといいですね、などと話しながらもやはりギニアの要人、国のことを真剣に考えておられるようす。

 

 ギニアには地下資源がたくさんあるのに政府がバカだから一向に国の利益にはなっていない。アルミニウムの原料であるボーキサイトは全世界の三分の一の埋蔵量、ギニアの輸出の40%を占める金、ダイヤモンドや鉄鉱石の鉱床など数多くの資源があるが開発が遅れている。これは、政府が変わる度に過去の政策などがすべて白紙に戻り、せっかく進みかけていたこともまた元に戻る… の繰り返しだからだ。これでは国が発展するはずもない、なんとかしないと、と嘆いておられた。

 先にも書いたが、この訪問の半年ほど後に、大統領暗殺未遂事件が起き、その後もクーデターや紛争が繰り返されている。

 

 お兄さんと話をしている時に、クルサヘ同行してくれた赤いベレー帽の軍人が我々のいる応接室へ入って来た。お兄さんの横で何やら声をかけられているのを直立不動の姿勢で聞いている。現地の言葉なので何を話していたのか分からない。後で聞くと同行してくれてありがとうと労をねぎらっておられたようだ。話が終わると、お兄さんに向かってサッと敬礼、回れ右をして部屋を出て行った。その一挙手一投足は軍人そのものだった。助手席にふんぞり返り、検問所では威厳を示していたがここでは全くの別人だ。お兄さんの権力が分かるというものだ。