tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第193話 何でここにいるの?

ギニア コナクリの街角

 

[2009年6月 ギニア  コナクリ]

 

 うっとうしい大きなハエ(笑)を追い払い、入国審査もパス、荷物受取所(baggage claim)までたどり着いた。ガタガタと音を立てながらベルトコンベヤーが動き荷物が出てくる。回転ずしの大型版だ。

 

 自分の荷物を待っていると後ろから誰かが肩を叩いた。振り向くと見知らぬ若い男性。また たかりかと疑いの目を向けると、ニコッと笑いながら自分を指差して “OS オトウト”と言う。あぁ、OSさんが弟を迎えに行かせると言っていた。見ればよく似ている。来てくれてありがとう。荷物がまだ出てこないのでちょっと待って…  と、待てよ!?  何でこの場所に迎えの人間がいるの? 

 

 普通は荷物を受け取って、税関審査を受けて到着ロビーへ出る。そこで初めて出迎えの人に会えるのだ。税関審査場を逆行してきたことになる? 深く考えると訳が分からなくなる。まぁ そういう国なのだということにしておこう。アフリカや (笑)

 

第192話 信用できるヤツはおらんのか!?

ギニア コナクリの街角

 

[2009年6月 ギニア  コナクリ]

 

 殺虫剤が功を奏したのかハエはいなくなった。幸い乗客は全員無事だ(笑)

 アクラを出発後、アビジャンバマコを経由し二日半かけてようやく次の目的地であるギニアコナクリ国際空港に到着。アクラから直線距離で1,600km程だろう。札幌 - 鹿児島間と同じ位。直行便があれば3時間もあれば行ける距離だ。

 

 入国カードが機内で配布されなかった為 入国審査カウンターのそばで記入する。電力事情はよくなさそうだ。薄暗い部屋だった。カードの記入方法はどこの国も大概同じなので要領は分かっている。

 

 すると 一人の男が書き方は分かるか?手伝おうか?と寄ってくる。また 教えてやったからチップをよこせと言うに決まっている。No, thanks.  書き方は分かっていると言うが、俺は警察官だから心配するなとしつこくつきまとってくる。確かに名札を首から下げてはいるが…  ベネズエラで空港職員だからと安心/信用してチップを取られた。もうこりごりだ。もう誰も信用しない!  Don't touch!  Get away!  しつこく来るからしつこく断り続けると諦めてどこかへ失せた。

 

第191話 ここはどこ?

ガーナ クマシ ある村の光景

 

[2009年6月 マリ  バマコ]

 

 そんなこんなでようやく乗り込んだ飛行機。今日はギニア (Guinea)の首都コナクリ(Conakry)へと移動する。機はアビジャンを離陸する。喧嘩の記憶しかない苦い滞在になってしまった。終わったことは忘れ、次なる地での仕事に期待しよう。

 

 離陸後2時間足らずで高度が下がり始め、着陸。到着したのはいいが、何かおかしいぞ。予定では到着まで4-5時間ほどのはず。機内放送があったのだろうが訛りが強い上に耳が悪くなっているので良く聞き取れていない。

 近くにいた客室乗務員にここはどこ?と尋ねるとバマコ (Bamako)と返事が返ってきた。マリ (Mali)の首都だ。何やと!?!?  マリ!?!?  経由地ありの表示は見ていない。コナクリまでの直行便だとばかり思っていた。コナクリまで行く人は機内で待機してくださいとのこと。ところが しばらくすると、一旦全員降りてくださいと客室乗務員が通路を歩いて来る。何だか要領が悪いな。待合室まで行き待機する。

 

 北緯12度の6月、暑い。クーラーはない。天井で風呂屋の扇風機みたいなものが回っているだけだ。他の客たちもうんざりしている。しかもハエの多いこと。子供の頃はハエを追い払いながら食事をしたものだが、最近の日本?大阪?ではハエそのものを見かけなくなっている。

 

 1時間近く待たされただろう、ようやく再搭乗。機内へ入るとさっきまではいなかったハエがたくさん飛んでいる。男性職員が殺虫剤を撒きながら通路を歩く。乗客たちにもおかまいなく大量に降り注ぎ、みんな悲鳴を上げている。前後や通路を挟んだ席にフランスのサッカー少年たちがたくさん乗っていて、ハエも人も死ぬぞと笑い合った。

 

第190話 係員が知らない

ホテルの窓から撮った コートジボワール唯一の写真

 

[2009年6月 コートジボワール  アビジャン]

 

 くねくね男は去った。が、次から次へと色々なことが起こるものだ。

 

 今回の航空券は自身も初めて使用するEチケット。従来の旅行社や航空会社が発券する航空券ではなく、インターネットで搭乗便を予約、予約番号等が書かれたものを印刷して空港の航空会社カウンターへ持って行けば搭乗券を発券してくれるというもの。何だか頼りない。大丈夫かな?と思いながらカウンターへ持って行った。  

 

 すると、不安的中! 係員は、これでは搭乗券を発券できませんと言うではないか!?  いやいや、これは新しいシステムで云々と説明するが、そんなものは知らないと言う。慌ててガーナの旅行社に電話する。が、航空会社がまだよく分かっていないだけだとの返事。再度カウンターへ行って説明するが、埒があかない。またまた旅行社へ電話。旅行社から航空会社に連絡を取ってもらい。ようやく搭乗券が発券された。簡単に書いたが、空港の中をあっちへ行ったりこっちへ行ったり、何度も電話したりで優に1時間は超えていた。飛行機に乗れなかったらどうしようと気が気ではなかった。

 

 しかし、新しいシステムが導入されているにもかかわらず当事者である空港の係員が知らないとは…  これもアフリカ!?

 

第189話 あんた誰?

ガーナ クマシの露店

 

[2009年6月 コートジボワール  アビジャン]

 

 翌朝、出国の為空港へ戻る。チェックインカウンターへ行こうとすると、昨日のくねくね男がこちらに気づいて近づいて来た。

 

 「テープを貼ってやったのに金を払え!」 まだしつこく言ってくる。「あんた誰? 俺はお前を知らないよ」と無視。まだ何か言ってるが、無視するに限る。

 

 しばらくつきまとっていたがとことん無視。とうとう諦めてどこかへ去っていった。

 

第188話 タクシーよ、お前もか

金の採掘を終えて帰宅中の陽気な女性たち (ガーナ クマシ)

 

[2009年6月 コートジボワール  アビジャン]

 

 ターミナルビルを出てタクシー乗り場へ急ぐ。不思議と白タクの客引きがいない。タクシーも客も整然と乗り場に並んでいる。

 

 順番が来て荷物をトランクに積み込み、車に乗り込む。ホテルの住所を見せるといくらだ?とこっちに聞いてくる。へっ? 途上国では料金メーターがなく交渉で値段を決めることはよくあるが、客が先に提示するのは初めてだ。ホテルまでは10kmほどと聞いているので、US$10 (約¥1,200)と言うと、はっきりとした額は覚えていないがかなり高い料金をふっかけてきた。

 

 何度も交渉するが、一切引こうとしない。またも押し問答。もういい! 降りる! トランクを開けさせて荷物を降ろすと別の運転手が駆け寄って来た。US$10で行くか? と言うと二つ返事で承諾。さっきの運転手は何やったん? そんなにぼったくりたかったのか。余計に腹が立ってきた。

 

 空港を出ると、車は "Welcome to  Côte d'Ivoire" と書かれた象の形をしたゲートをくぐり海岸沿いを走る。これが象牙海岸か。綺麗な青い大西洋が広がっている。遠くには海底油田だろうか、海から突き出ている炎を上げる煙突が見えた。

 

 ようやくホテルに到着。口論続きで疲れた。明朝の出発までどこへも行く気はしない。時間もそんなにないし夕食を済ませて早めに休む。

 

第187話 お金、お金、お金 - その2

ガーナ クマシの家並み

 

[2009年6月 コートジボワール  アビジャン]

 

 強引に出国して(笑)、搭乗ゲートへ向かう。今日はガーナの隣国コートジボワール (Côte d'Ivoire) の 旧首都であるアビジャン (Abidjan)で一泊する。乗り継ぎの為だけの入国、一泊である。

 

 それは空港に着いてすぐに始まった。手荷物を受け取り、税関検査場へ行く。申告するものはない。スーツケースとは別に持っていたタレントのOSさんからの預かり物が狙われた。一辺が20cm程度のダンボール箱なのだが、中身は自動車部品の金型、金属製なので重い。ギニアへ行ったら知人に渡して欲しいと頼まれたもので、乗り換えだけのコートジボワールでは何の用もない代物だ。説明はしたが、開けろと言う。あぁ~ また時間がかかりそうだ。上記の説明をしたにもかかわらず、持ち込むなら税金を払えと言う。止められた時点でここまでは想定内。またも金、金、金。

 

 この国では用がない物で、明朝の便で出国するのだから、税金を払うのならここで預かってくれと言っても、預かることはできないから税金を払えと、訳の分からんことを言う。どこの国/空港でも税金を払わなければ出国まで預かってくれる。金が欲しいだけなのだ。10分、20分押し問答。ようやくこいつからは金は取れないと悟ったか、もう行ってもいいと背中を向けた。誰が金を払うか ボケ! が、ガムテープを剥がして箱のフタは開いたままだ。

 

 待て! 箱を元通りに閉めろ! テープはないと言う。こんなまま持ち運び出来んやろ! 誰かテープ持ってないのか! と、係官は遠くにいたヒョロっと背の高い若い男を呼びつけた。体型やくねくねとした動きがお笑いコンビ、アンガールズの背の高い方に似ている。テープでとめてやれと指示する。ようやくフタは閉じられ、その場を去ろうとするとまた次の口論勃発。今度はこのくねくね男が、閉じてやったのだからと金を要求してきた。あのなぁ、俺が開けてくれと頼んだのではない。お前らが開けたのだから元通りにしろと言っただけ。何で俺が金を払う必要がある?  またまた押し問答。

 

 箱は手元にある。相手はまだ何か言ってたが、面倒臭いので いつまでも言うとけ ボケ! 捨ぜりふを残してその場を去った。