tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第64話 思えば遠くへ来たもんだ

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パナマ運河

 

[1994年7月 カナダ  トロント => パナマ]

 

 北米カナダから中米パナマへ移動。パナマトロントの真南、どちらも西経79度上にある。直行で飛べば5−6時間くらいだろうか。しかしいつものごとく安いチケットの為 あちこち経由。まずトロントからニューヨーク (New York)はラガーディア (LaGuardia)空港へ飛ぶ。

 

 トロントを離陸するとオンタリオ湖の上空を飛行する。湖というものの日本のそれとは規模が違う。まるで海。五大湖の中では最小だが、面積は四国とほぼ同じ。しばらくして陸地が見えるとそこはもうニューヨーク州だ。緑の大地が延々と続く。ニューヨークというと高層ビル群を連想するが、そんな光景は微塵も見えない。あれはニューヨーク州の端っこだ。そしてその端っこ、ビル群が見えニューヨークの愛称であるBig Apple の文字が書かれた植え込みを左に見ながらラガーディア空港に着陸した。1時間ほどの空の旅だった。ここで乗り継ぎ、今度はマイアミ行きの便に搭乗する。

 

 初めてのニューヨーク、自由の女神か何か知っているものが見えないかキョロキョロするがニューヨークを感じるものは見えない。隣に座った男性が、ここは東の端だからね。あそこにマンハッタンのビル群が見えるだろうと指を指す。窓の外を見ると高さ10cm ほどのビル群のシルエットが見えた。直線距離で10km足らずなんだが。

 

 ニューヨークからマイアミ (Miami)まではアメリカの東海岸に沿って南下する。マイアミに到着する少し前に“ただ今右側にケネディ宇宙センタースペースシャトルの発射場が見えています”と機内アナウンスがあった。右窓側に座っていたので探してみたが、残念ながらどれだか分からなかった。この9日前にスペースシャトル・コロンビア号が打ち上げられ、日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋さんが宇宙へ飛び立ったばかりである。

 

 マイアミ国際空港が近づき機体は高度を下げる。青い海とマイアミビーチの白い砂のコントラストが美しい。空港は混んでいるのか上空で待機するがかなり低空で旋回していた。そして着陸。この空港は中南米の玄関口となっている為 スペイン語でのアナウンスが多い。ここで本日最後の便 パナマ行きに搭乗する。が、最悪の座席に当たってしまった。右側三人掛けの真ん中だ。両隣は男性と女性だが、こっちの人たちは身体がでかい。これは参った。着席した時から憂鬱な気分に。いつも早めにチェックインして通路側を確保するのだが、この日は前日の予期せぬありがたいビールのお陰でギリギリになってしまったのだ。しかも夏休みとあって満席。変更不可。

 

 窮屈な3時間弱だったが、途中カリブ海の綺麗な海に感動させられたりで何とか無事にパナマはトクメン空港 (Aeropuerto Internacional de Tocumen)に降り立った。今まで行った中で最遠の地だ。

 

 ニューヨークからマイアミ、マイアミからパナマと南へ向かうに従って搭乗客たちの肌の色が徐々に濃くなっていく。決して差別的な意味で言っているのではない。もちろん東南アジアへ行ってもそうなのだが、こちらはまだ顔立ちも同じ東洋系。しかし、これだけ彫りの深いラテン系の人たちに囲まれたのは初めてだ。

 思えば遠くへ来たもんだ。