[1997年6月 イギリス ブラックバーン]
“イギリスに美味いものなし”とはよく言われることであり、基本的には正解だ。パン類はパサパサだし、英国を代表する食べ物であるフィッシュ・アンド・チップスも今ひとつ。タラなどの白身魚のフライにポテトチップスを添えたものだが、油っぽいものが多い。
英国でポテトチップスとは、薄切りのポテトのことではなく、日本で言うフライドポテトやフレンチフライに近いが、これをもっと太く/大きく切ったものである。薄切りのポテト (日本で言うポテトチップス) はクリスプ (crisp)と言う。
油が動物系だからなのか、大量に使用するからなのか? 油を大量に使用するといえば、目玉焼き。米語では太陽のように見えるからか サニーサイド (sunny side)もしくはサニーサイドアップ (sunny side up)と言うが、英語ではフライドエッグ (fried egg)と言う。その言葉の通り、天ぷらをあげる時のようにたっぷりの油の中に生卵を落として作る。
仕事が終わり、夕食に行く時は何が食べたい?とよく聞かれるが、いつも冗談で英国料理と答えてやる。相手は、そんなものはないと嫌そうな顔をする。自国民も認める(?) 酷評される英国料理だが、必ずしもそんなことはない。今までにこれは!と思ったものが2つある。たった2つかい!?
ひとつは、ベイクドビーンズ (baked beans)。白インゲン豆をトマトソースを用いて甘く煮たもの。初めて食べたのは、バーミンガムの空港だった。朝食の定番でありそのまま食べてもいいし、トーストに乗せて食べたりする。
もう一つは肉! ビフテキ。死語か? ステーキだ。ブラックバーンの あるパブで食べたサーロインステーキが美味かった。西洋で牛肉といえば脂身の少ない、赤身だけの硬いものが多い。日本の霜降りなど脂分があるものはよくない肉とされる。そんな中でほどよく脂がのり、柔らかくて美味しいものにありつけた。彼らとっては美味しくないものだったのかな?(笑)
窓の外には緑の牧場と胸の高さ位の木の柵や石垣、英国の風景だ。ビールとよく合う。