tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第143話 飛び込み営業

グアム ヒルトン ホテル

 

[1998年6月 グアム]

 

 グアムでの目的は昨日の打ち合わせのみ。今日帰国便に乗ることもできなくはないが、安い航空券の為 帰国は明日早朝の便が指定されている。今日は市中観光でもと出発前に目論んでいたが、そこは日本の中小企業の社長さん「一日空くやろ。飛び込み営業してこいや」 はぁ? 日本でもやったことはない。

 

 グアムは米国領なので営業活動は基本的に北米代理店の領域になっている。しかし、彼らにしてみれば遠い上に市場も小さいのでまったくの手付かずとなっている。出発前に代理店に事情を説明して了解を得た。ホテルの部屋でイエローページ (分厚い電話帳)を見ながらそれらしいところに電話をして、商品を売り込むのだ。何社に電話をかけたのかは覚えていないが、3社から興味ありとの反応があった。ならば、こちらから訪問すると言ったが、みんなホテルまで来てくれると言う。午後から時間を設定して会うことになった。

 

 初めの2社はそんなに反応はよくなかったが、検討すると言って帰って行った。最後の相手は二人でやって来たのだが、一人は元米海兵隊員で日本にも駐留したことがあるらしい。結構興味を示し2時間以上じっくりと話を聞いてくれた。

 

 そうこうしているうちに夕食時になり、先方からよかったら一緒に食事に行こうと誘ってくれた。断る理由などあるはずがない。また一人寂しく飲んで食ってとなりそうだったのだから。おいしいステーキハウスがあるからと連れて行ってくれた。それで帰るのかと思いきや、二軒目はバーへ誘ってくれ、ウィスキーを飲みながら仕事のことや他愛もないことを話した。楽しかった。グアムでの1番の思い出になったかも。突然の営業にも拘らず熱いおもてなし、ありがとうございました。

 

 翌日は早朝便の為 深夜には起きなければならない。名残惜しい気がしたが早めにホテルに帰った。飲食代は、ありがたいことにすべて先方が支払ってくれた。初対面でこちらから売り込みをかけたにもかかわらず。感謝。わずか二泊のグアム訪問だったが、一日は良い日となった。終わりよければすべて良し。

 

 帰国後もお互いの交信はしばらく続いたが、残念ながら契約までは至らなかった。商売って、金儲けって難しいなぁ。