tokuchan-worldのブログ

外国ってこんなとこ〜

第35話 憧れの英国

f:id:tokuchan_world:20220116144532j:plain

ビッグベンと国会議事堂 ロンドン

 

[1991年4月 フランス => 英国]

 

 フランスでの予定を終了して、いよいよ憧れの国 英国は バーミンガム(Birmingham)へ。パリ シャルルドゴール空港で出国手続きを全て済ませ搭乗時刻まで待機。免税店等空港内をブラブラして時間をつぶす。あと30分くらいになった時「徳平様搭乗口までお越し下さい」とのアナウンスが流れる。搭乗口へ行くと 早く乗ってくださいと言う。まだ少し時間あるでしょ? 何で急かすの? 「他のお客様は全員搭乗されて貴方が最後です。予定より早いですが、あなたが搭乗されればすぐに出発します。」だと!? 飛行機って時刻より遅れることはあっても、早く出発するってあるの?

 

 あわてて搭乗口の階段を駆け下りると少し離れた所に飛行機が停まっている。外は土砂降りの雨、屋根はない。短い距離だったが傘もささずに走った。それでもかなり濡れた。タラップを駆け上り、水滴を拭きながら自分の座席へと通路を歩いているとみんなの視線を浴びる。もう準備はできているのにお前のせいで遅れるやないか! と言っているように。まだ定刻前なんやけど…

 

 雨の中 機はフランスを離れ一路 英国バーミンガム国際空港へと向かう。約1時間ほどの飛行であるが、雨の為 窓の外は厚い雲に覆われて何も見えない。時間的にはもう既に英国領域に入っているのだとワクワクするが英国は見えず。着陸体制に入り高度が下がると雲の切れ間から時折緑が見え隠れする。初めて目にする英国! そして雲の下に降りると雨はやんでいて、一面緑の丘陵地帯が視界に飛び込んできた。牧場だ。そのなだらかな牧場の所々に白いものが点在する。羊だ。いかにも英国という景色が出迎えてくれた。頭の中では、英国を代表するプログレッシブ・ロック・バンド Genesis Firth of Fifthが流れ出す。

 

 無事に着陸、英国の地に着いた。窓の外をターミナルビルが後ろへ流れていく。Birmingham International Airport の文字を確認し、英国に来たことを実感する。空港名の International の最初の文字 “I” が脱落していたのが残念だったが ()

 飛行機から降りるのもなぜか緊張している。直接の地面ではないが、機外であるボーディングブリッジへの第一歩目 (英国への第一歩目) が右足だったのを覚えている。無事に入国手続きを終え、とうとう憧れの英国国内へと踏み入った。音楽関係のある友人の言葉が脳裏に浮かぶ。「ずっと行きたいと思い続けた場所へ行くことができれば、そこは自分の前世なんやて」俺の前世はEnglandなのか? そうであって欲しい。

 

 独特な形のロンドンタクシー、Black Cabに乗り込み取引先へ向かう。